
古紙の輸出のお話し 2019年4月
▶前々回、回収した古紙の約20%が国内で消費されず
あまってしまうお話しを致しました。
では、このあまってしまった20%の古紙を私たちはどうしていると思いますか?
こたえは、海外に資源として輸出しています。
この15%の輸出量がトリヒキの分かれ目で、私たちのような古紙業者が15%を超えて、
輸出の割合を20%、25%と増やしてしまうと、日本国内で消費できる量が減ってしまい、
古紙がほしくても買えなくなり、日本の製紙メーカー様がこまってしまいます。
反対に15%を下回り、10%、5%と減ってしまうと、日本国内で消費できる量を上回ってしまうので、
私たち古紙業者が古紙を出荷できず、あらたに古紙を受け入れることができなくなってしまいます。
▶それでは、私たち古紙業者が古紙を受け入れることができなくなると、
どのようなことがおきるのでしょうか?
サイアクのケースとして、ご家庭から古紙を回収できなくなる可能性があります。
今は資源物の日に古紙を出していただいていると思いますが、
これが毎週の回収ではなく、隔週になり、
隔週でも回収できなくなると、
資源物の日ではなく、燃えるごみの日にだしてくださいとなり、
燃えるごみでだすようになると、
今度は区や市のごみ処理場がいっぱいになってしまうため、燃えるごみの日の回収日が減り、
燃えるごみが出せなくなると、
燃えるごみがご家庭内で滞留するという、
みなさまの生活環境が悪化することになってしまいます。
また、ごみを回収するための人員の確保やごみ処理場を拡張するため、
住民税が上がってしまうという、金銭的なご負担もかんがえられます。
▶実は実際にこの負のサイクルが古紙ではなく、ペットボトルで起き始めています。
私の住む地域ではペットボトルの回収が毎週行われていたものが、
隔週に変わってしまいました。
これはこれまではペットボトルを資源物として海外に輸出していたものが、
外国の資源物の輸入制限によって、日本から輸出できなくなり、
ペットボトルの集積場がいっぱいとなってしまったためと思っております。
今は、つぶしてみたり、家庭内でペットボトル用のごみ箱を大きくしてみたりと
工夫しているのですが、夏が到来したら、どうなるのかなと少し不安です。
▶このようなお手間をみなさまにお掛けしないよう、
引き続き古紙の流通経路の確保に努めて参りますので、
今後ともマンモスエコロジーをよろしくお願い致します。
