紙の繊維と日本そば(シュレッダーのお話)の続き 2019年1月
▶前回、古紙をリサイクルするために「センイ(繊維)の長さ」が大切と書きました。
実際どのくらいの長さなのでしょうか?
ちょっと想像してみてください。
1cm? 5cm?
正解は1mmから5mmです。
1mmから5mmと幅があるのは、木の種類によって異なるためです。
針葉樹のセンイの長さが3mm~5mmです。
広葉樹のセンイの長さが1mm~2mmです。
針葉樹の方が倍ちかく長いのですね。
針葉樹はモミ(クリスマスツリーの木です)、マツが代表的です。
広葉樹はユーカリ(コアラの大好物です)、ポプラが代表的です。
イメージがわきますでしょうか?
▶長さに続いて、センイの太さはどうでしょうか?
針葉樹の太さは50μmです。
広葉樹の太さは20μmです。
こちらも針葉樹の方が倍ちかく太いようです。
▶では、センイが長い、太い、短い、細いによって何がかわるのでしょうか?
それは実際に紙になったときの強度やきめ細やかさに影響します。
紙パックや厚手の紙袋など、強度が求められる場合、針葉樹のセンイを使用するようです。
コピー用紙やチラシなど、表面のなめらかさや手ざわりが求められる場合、
広葉樹のセンイを使用するようです。
▶このセンイのかたまりをパルプといいます。
パルプには針葉樹や広葉樹の木材をチップ化してつくられる【木材パルプ】、
和紙の原料となるコウゾ、ミツマタ(小学校でやりましたか?)のような
植物からつくられる【非木材パルプ】、
使い終わった紙(古紙)をほぐしてセンイの状態にもどした【古紙パルプ】があります。
▶よくトイレットペーパーやティッシュペーパーなどでパルプ100%とかかれている商品は
【木材パルプ】のみでつくられたものです。
再生紙100%や古紙100%とかかれている商品は【古紙パルプ】のみでつくられています。
みなさんはどちらのトイレットペーパーやティッシュペーパーをつかっていますか?
おうちやオフィスで是非見てみてくださいね。
▶また【木材パルプ】や【古紙パルプ】のつくり方のちがいが
環境にやさしいかどうかの決め手になります。
【木材パルプ】をつくるときにチップを大きな釜でぐつぐつ煮ます。
このときに大量の二酸化炭素を発生させてしまいます。
【古紙パルプ】をつくるときは大きな洗濯機にいれてセンイほぐしていくので、
二酸化炭素を発生しません。
だから古紙を使用した商品は環境にやさしいと言われています。
▶今日もわたし達は環境にやさしい古紙を集めています。
古紙のこと、リサイクルのことでちょっとでもわからないことがありましたら、
お気軽にご連絡くださいませ。