古紙の同窓会 2019年3月
▶3月は同窓会のシーズンだそうです。
そういわれれば、3月は卒業式であったり、入学式であったり、様々な人生の岐路にさしかかる季節です。
希望に満ちた時であり、また失望に心痛める時でもあります。
なんとなく昔の仲間に会いたくなるのは、そんな心のうちが関係しているのかもしれません。
▶同窓会が楽しいのは、それぞれの気持ちの中に、同じ時代の同じ価値観を共有してきたもの同士の、理屈を越えた共感があるからでしょう。
心の中に大切にしている思い出や、忘れようとしても忘れられない記憶など。
楽しいものも、つらいものも含めて、それを同じ気持ちで語ることができる仲間は本当に貴重なものです。
▶同じ種類のものが集まった方がいいのは、古紙も同じです。
段ボールや新聞が古紙として人気があるのは、同じ品質のものが集まっているからです。
逆に雑誌やオフィスミックスが需要の影響を受けやすいのは、いろいろな種類の古紙が混ざっていることが欠点だと思われるからです。
品質が均一であることは、古紙を再生紙に戻すための工程の中でも、歩留まりやリサイクル後のゴミの量に関係してきます。
▶同じような原料が集まっていれば、投入する薬品の種類や量も決めやすくなります。
古紙を溶かすための時間も計算しやすく、その後の工程にとっても都合のいい状態(溶け方)を選ぶことができます。
結果として、歩留まりがよく、さらに溶かした後のゴミの量も少ない、負担の小さなリサイクルの流れを考えることができるわけです。
▶雑誌古紙の中でも、週刊誌などのように同じ紙質のものが集まっていれば、段ボールや新聞などと同じように、扱われることがあります。
逆に、新聞古紙でも、一般の家庭から出てくるようなものは、チラシなどが多く混ざっているため、上記のようなグレードの高い雑誌古紙にはかなわないことがあります。
いろいろなゴミから選別された段ボール古紙にも、同じようなことが言えます。
▶来月3月は卒業式のシーズンです。
たくさんの思い出といっしょに、新しい環境での新しい生活が待っています。
古紙のリサイクルと人の営みは違いますが、新たな一歩を踏み出す気持ちは同じかもしれませんね。